FOCUS
生涯教育講演会
第17回全国生涯学習フェスティバル
まなびピア2005
生涯教育
家庭とは 家族とは
―子どもたちの未来のために―
 第17回全国生涯学習フェスティバル「まなびピア鳥取2005」が、10月9日から15日の間、鳥取市、米子市、倉吉市を中心とした県内3地区で開催された。全体テーマは「夢砂丘 まなびのオアシス さがそうよ」。
 この全国生涯学習フェスティバル「まなびピア」は、生涯学習活動を実践する場を提供することを目的に、平成元年から毎年1県を開催地として全国規模で開催されているが、当センターは、文部科学省の要請を受け、協賛団体として第1回から毎回講演会を行い、講演、提言、教育実践報告、グループ討議、教育相談等を行ってきた。
 今年は10月10日(月・祝日)、県立生涯学習センターふれあい会館を会場に、テーマ「生涯教育 家庭とは 家族とは―子どもたちの未来のために―」で講演会を開催した。
 今年度開催地となった鳥取県では、子どもたちのモラル、秩序の崩壊が、それを看過してきた大人たちの姿勢にあることを重要視し、基本的な家庭のあり方、大人のあり方を課題として、3年前からさまざまな取り組みを行なってきているという。
 そうした中で、この講演会に向けて兵庫、岡山支部のメンバーが中心となって参加を呼びかけた。訪れた先々で話し合いを重ねる中で、多くの人々から野村生涯教育に対して「自分たちの求めているものはこれだ」という反応が返ってきた。
 当日は、教育行政、保育園、小・中・高等学校、PTA、市議会、児童相談所、青年会議所などから、約300名が会場を埋めた。
 はじめに「野村生涯教育センターのあゆみ」のビデオを上映。引き続いて人間学研究会で学ぶ渡利幸雄さんが提言を行った。
 渡利さんは、電機メーカーの労働組合専従役員の立場から「今、企業内で起こっているさまざまなレベルの病理現象に対し、私は野村生涯教育論がそれを乗り切る唯一の鍵を握っていると確信しています。教育は経済活動や物質的豊かさを得るためのツールではなく、その本質は人間教育であることを身をもって知ったからです」と語り、現在企業が抱える問題を具体的にあげた上で、それに対して野村生涯教育がいかに回答となり得るかについて詳しく述べた。そして自身の自己変革のプロセスを率直に語り、「私たち一人ひとりが本来持つ本質を啓き出した分、活性化した家庭、社会、企業に変えることができます。少しでも明るい未来が来るように自己改革に努めましょう」と訴えた。
 続いて、福岡連絡所責任者の古森順子さんが講演を行った。
 古森さんは冒頭、「本日のテーマ『家庭とは 家族とは』を自分はどう捉えていたかを振り返ると、家庭は非生産的でお金にならない価値のない場という負のイメージを持っていた」と述べ、創設者野村佳子理事長のもとで「生命の尊厳を価値基準にしたときには、家庭、家族の価値はまったく逆転する。近代を超えた概念、価値となる」と学び、徐々に価値観を転換してきた、と語った。
 そして「野村生涯教育」の理念について詳しく説明した上で、人間生命の価値と尊厳を基盤とした「家庭の概念」と、その「価値と役割」について述べ、その上で自分自身が親との関係、夫との関係、子どもとの関係の調整を通して、自己の「尊厳」を復活してきたプロセスを語った。
 そして最後に「地球を棲み家とし、運命を共有する私たちは、本来『地球家族』です。子どもたちの未来のために、本来、家庭に生得的に具わる『愛』『信頼』『絆』を、皆さまとご一緒に復活させていくことを願って、終わらせていただきます」と述べ、講演をしめくくった。
 
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