FOCUS
公益財団法人移行記念祝賀会
 10月6日(日)午前10時半より、ベルサール新宿グランドコンファレンスセンターを会場に、日本全国の支部・連絡所のリーダー約250名が一堂に会し、評議員、関係の方々へのご報告も兼ね「野村生涯教育センター 公益財団法人移行記念祝賀会」が開かれた。
 創立52年目の本年4月1日、当センターは内閣府より認定された公益財団法人として登録し、新たな一歩を踏み出した。
 この日はその意義を改めて噛みしめ、未来に向けて公益に資する≠アとのできる人間づくり、自分づくりを共に確認する機会となった。
 司会の石川弘子さん(広島支部責任者)による開会挨拶の後、32年前の財団法人設立に際して創設者 野村佳子初代理事長が行った挨拶と、吉成知加子専務理事が申請から設立に至る経緯を語った音声を、参列者全員で傾聴した。これは毎年の財団設立記念日に全国各地で恒例としてきたことだが、全国のリーダーが一緒に聞くのはこの日が初めてのことだった。
 そのあと、このたびの公益財団法人の申請から登録に至る経緯について、生形泰子理事が語った。
 続いて、このたび評議員をお務めいただくこととなった日本ユネスコ協会連盟理事長の野口昇氏より、ご祝辞を頂戴した。
 それを承け、金子由美子理事長が「公益財団法人移行について」語った。
 最後に、評議員のお一人の金子亜紀夫氏の発声により全員で祝杯をあげた。


公益財団法人移行について
理事長 金子由美子

 皆さま、本日はおめでとうございます。
 評議員の方々はじめご来賓の方々をお迎えして、このようなお祝いの会が持てますことを心より感謝申し上げます。
 ただいま創設者 野村佳子初代理事長、吉成知加子専務理事のお話の録音を、評議員、ご来賓の皆さまともご一緒に聞かせていただきました。私どもは毎年4月1日の財団設立記念日に、全国各地でこれを聞かせていただくのです。(今日は山口典子専務理事のお話は時間の関係で聞けませんでしたが)
 1981年当時はまだ、創設者のお話をずいぶん難しく感じていた方もいらっしゃったのではないかと思いますし、グローバルすぎてピンとこない、というような受け止めもあったように思います。
 でも日々成長させていただくなかで、毎年こんなに新鮮に聞けるのかという内容で、今だからこそ、その重さ、深さを噛みしめさせていただいております。
 今回、公益法人法を改正した政府の眼目は、組織が公益性を失い、形骸化したり、財産の隠し場所となる組織が増えてきたりするなかで、そうした実態を変えていくということでした。
 私どもは、創設者がひたすら社会のことを思うなかで、8年もかけて財団法人設立認可を得たわけです。そういう意味では、今回の改革には当初から思うところがありました。なぜセンターがここで問われなければならないのか、と。でも、やはり組織は人間がつくります。センターの目的、方向性は変わらなくても、それを扱う人間が創設者から次世代に変わっているという現実があります。私たちがこの申請を通ることを通して、改めて創立の精神と目的を自分たちに確認することなのだと思い、申請プロジェクトをスタートさせました。
 今、社会の中核世代は私たちの世代です。私たちと私たちに続く世代は、どうしてもやることや成果、形に価値を見ます。そのことをやるにはやる意義があるはずなのに、やっているうちにその意義を忘れ、作業に追われていきます。事を行う意味は何か、その精神を失わないことがどんなに大事かを思います。しかし人間は時が経つにつれ初心を忘れてしまう生き物でもあります。それを思いますとき、改めてこうして毎年創設者の思いを聞かせていただくことの価値を思います。
 今の社会の実態を思うと、創設者の精神を繰り返し確認し、それを発信していくことがどれほど公益に資することになるか、それを改めて確認します。
 創設者は「私は決して事業をやりたいとは思わないのです。社会的名声を得たいとも思いません。ただその純粋な精神を受け継がせていかなければならないので、組織がこうした大きな節を迎えた時、もう一度初心に戻ってこの教育ボランティア活動の生まれた意義というもの、自分が在るという意味を改めて確認し直すことが大事だろうと思うのです」
 「多くの問題を持つ社会の要請に対して行動せざるを得なかったことは、同時に現代社会の体質をすでに受けている私たち自身の問題でもあり、私たち自身との取り組みを意味することになるだろうと思います。社会の意識を転換する、社会の価値を改善する時にまず絶えず自己吟味をしていく。利害、打算との熾烈な戦い、それが今の社会を毒しているならば、私たち自身が自己の欲望をどう克服するか、自己のエゴとどう戦うかというのが、いつも実践の中心であり、出発でなければならないと思うのです」と言われました。
 現代社会の体質を受けている自分がつくっている社会だから、だから自分から変えていく。そのことを通して社会へ還元していく。その精神をもって新たな出発を祝いたいと思います。
詳細は当センター機関紙『野村生涯教育だより No.344』に掲載されています。(頒価100円)
 
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